シンママは正社員で働くべき?メリット・デメリットと仕事探しのポイントも解説

シングルマザー

シンママは正社員で働くのがベスト?メリット・デメリットを理解して自分に最適な働き方を選ぼう

正元香菜子
正元香菜子

シンママは正社員で働くのが良い?安定した収入を得られるのは魅力だけど、子どもとの時間が減ってしまうのは避けたい…

「シンママは正社員で働くのがベストなの?」

「正社員はメリットが大きそうだけど、自分にこなせるか不安…」

「シンママが正社員で働く時のポイントは?」

このように悩んでいませんか?

シングルマザーは基本的に子育てや家事を1人でこなす必要があるため、正社員で働くとなるとさらに大変です。

正社員で働くことにはメリットがあるものの、やはりデメリットも存在します。

とはいえ、一部の働けない理由がある場合を除いて、生活のためには収入を得ることが必須。

そこで今回は、シンママ正社員として小1男児を育てる筆者が「シンママの働き方は正社員がベストなのか?」について、メリット・デメリットを交えながら解説します。

シンママが正社員で働くうえでチェックすべきポイントも紹介するので、ぜひ最後まで読んでみてください。

シンママの働き方の実情をチェック

シンママの働き方はさまざまですが、ここで「働くシンママ」の実情をチェックしておきましょう。

令和3年度に厚生労働省が発表した調査によるシンママの就業状況、働き方は以下のとおりです。

就業状況と区分 割合
働いていない 9.2%
正社員 48.8%
派遣社員 3.6%
パート・アルバイト 38.8%
会社などの役員 1.0%
自営業 5.0%
家族従業者 0.5%
その他 2.4%

参照:厚生労働省「令和3年度 全国ひとり親世帯等調査結果の概要」

シンママで最も多い働き方は48.8%で正社員。次いで、パート・アルバイトが38.8%を占めています。安定や収入アップが目指せる正社員は、シンママにも人気の働き方のようです。

また、近年注目度が増しているフリーランスや自営業の割合は、筆者の予想を超えて増加傾向にあります。平成28年度の3.4%から令和3年度には5.0%に増えています。

シンママが正社員で働くメリット

シンママが正社員で働くメリットを紹介します。

  • 安定した収入を得られる
  • ボーナスや福利厚生などを受けられる
  • キャリア・収入アップを目指しやすい
  • 失業リスクが少ない

安定した収入を得られる

シンママで働く最大のメリットは、安定した収入を得られることです。シンママ(母子家庭)の全体の平均年収は254万円ですが、内訳をみてみると、就労形態(正社員かパートか)によって大きな差があります。

就労形態 平均年収
正社員 344万円
パート・アルバイト等 150万円

参照:厚生労働省「令和3年度 全国ひとり親世帯等調査結果の概要」

正社員とパートでは平均年収に約200万円の差があります。

時給制で働くパートの場合、子どもが熱を出して仕事を休むと、その分もらえる給料が減ってしまいます。一方、正社員は月給制かつ、有給休暇や特別休暇(子の看護休暇等)を取得できる場合が多く、安定した収入を得られるのです。

ボーナスや福利厚生などを受けられる

ボーナスや昇給があるのも、シンママが正社員で働く魅力のひとつです。ボーナスの支給額は会社によって異なるものの、非正規社員にはないまとまった追加収入を得られます。

会社によっては、年間4ヶ月以上の賞与をもらえるケースもあります。貯蓄にまわしたり、子どもとのお出かけに使ったりと、ボーナスの使い方を考えるだけでも楽しいです。

キャリア・収入アップを目指しやすい

シンママが正社員で働くメリットには、キャリアや収入アップを目指しやすい点も挙げられます。

正社員としてキャリアを積めば、任せられる業務の幅が広がり、専門性を伸ばすことで昇進・昇給を目指せます。

また将来的に転職を検討する場合でも、「40歳で正社員、マネジメント経験がある」という経歴を活かしたキャリアアップ・ハイクラス転職も夢ではありません。

失業リスクが少ない

シンママにとって、突然の解雇やシフト減等は生活を脅かす死活問題です。

しかし正社員は失業リスクが少なく、余程の理由がない限り解雇や大幅な収入減を避けられます。

正元香菜子
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正社員は安定性を重視する方に最適な雇用形態です。

シンママが正社員で働くデメリット

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シンママが正社員で働く際には、デメリットも存在します。

  • 仕事の責任が重く、時間外労働が発生する可能性がある
  • 急な休みや遅刻・早退などがしにくい
  • 子どもとの時間を優先しにくい

デメリットを理解することで、正社員で働く際にも働きやすい仕事を選びやすくなります。しっかり押さえておきましょう。

仕事の責任が重く、時間外労働が発生する可能性がある

シンママに限らず、正社員はパートや派遣社員よりも仕事の責任が重いです。

業務が終わるまで退勤するのは難しいですし、イレギュラー時には時間外労働が発生する可能性もあります。

子どもが小さいと、保育園や学童保育のお迎え時間に合わせて仕事を終わらせなければいけません。「また延長保育をお願いしないといけない」「いつも子どものお迎えがギリギリ…」というように、時間と業務の間で葛藤するシンママは少なくないのです。

急な休みや遅刻・早退などがしにくい

シンママが正社員で働くデメリットには、急な休みや遅刻・早退などがしにくいことも挙げられます。

例えば、子どもが熱を出したときでも、気軽に休めません。家族や病児保育などに確認をとって、どうしても無理なら会社に事情を説明して休みをもらう…というのが一般的です。

筆者は営業職の正社員として働いていますが、子どもが熱を出したときは大変。実家を頼れない場合は、会社に相談してなんとかスケジュールや業務を調整しています。

正元香菜子
正元香菜子

子育て女性に対する認識や配慮は会社によって異なるので、正社員で働く際には「子育て女性に理解のある会社を選ぶこと」が大切です。

子どもとの時間を優先しにくい

正社員で働くシンママはとにかく時間がありません。朝起きてから子どもが寝るまで分単位で行動し、時間に追われています。

子どもとの時間を優先しにくく、ゆっくり話す時間がない…というシーンも少なくありません。

正元香菜子
正元香菜子

家事や育児をこなすのに必死で、子どもとの時間が疎かになっていると悩むこともあります。

シンママの働き方におけるメリット・デメリットを比較!

シンママの働き方(正社員・パート等の非正規社員・自営業)におけるメリット・デメリットを比較します。

就労形態 安定性 収入面 融通面 時間の確保 将来性
正社員
非正規社員(パート・契約社員・派遣社員)
自営業・フリーランス

正社員には安定性や収入面、キャリアの将来性といった大きなメリットがあります。一方、融通面や時間の確保は難しいのが現状です。

パートや派遣社員などの非正規社員には、時間に融通が効く・突発的な休みに対応しやすい、というメリットがあります。パート先によっては1人が休んでも周囲で業務をカバーしやすく、無理のない範囲で働けるでしょう。

ただし、非正規社員で働くことには、収入が安定しにくい、昇給が見込めない、失業リスクがあるというデメリットが存在します。「仕事量が少なくなったことでシフトを減らされた」「派遣切りにあった」といった体験談は少なくありません。

自営業・フリーランスであれば、比較的自由に仕事を進められます。さらに、フリーランスは大幅な収入を目指せる点も魅力です。フリーランスとして働くシンママの中には年収1,000万円を稼ぐ人も少なくありません。

とはいえ、フリーランスにはパート同様、収入が不安定というデメリットがあります。常に仕事を探したり、依頼が途切れないように努力し続けたりする必要もあり、気が抜きにくい働き方のひとつです。

正元香菜子
正元香菜子

筆者はフリーランス時代、とにかく確定申告が嫌で嫌で仕方ありませんでした。

 

シングルマザーが正社員で働く際に確認すべきポイント

シングルマザーが正社員で働く際に確認すべきポイントについて解説します。

  • 仕事と子育てが両立できる勤務形態かどうか
  • 子育て女性に対する理解がある職場かどうか
  • 子育てに必要な収入を得られるかどうか

上記を押さえておくことで、シンママ正社員として家庭と仕事を両立しやすくなります。

仕事と子育てが両立できる勤務形態かどうか

シングルマザーが正社員で働く際には、仕事と子育てが両立できる勤務形態かどうかを確認しておきましょう。

正社員は安定した収入や雇用を得られる働き方ですが、仕事や職場によっては勤務時間が長すぎたり、勤務が不規則だったりと、育児との両立が難しいケースもあります。

正社員にこだわりすぎて無理をすると、心身に悪影響を与える可能性があるため注意が必要です。

とくに子どもが小さいうちは、パート勤務で無理なく働くという選択肢もあります。仕事と子育てが両立できる勤務形態かどうか、転職時にしっかり見極めましょう。

正元香菜子
正元香菜子

筆者は離婚を機に正社員にこだわって転職しましたが、事前確認が不足しており大変さを実感しています。

子育て女性に対する理解がある職場かどうか

シングルマザーが正社員で働くなら、子育て女性に対する理解がある職場かどうかも重要です。会社や職場選びをする際は、以下をチェックしましょう。

  • 産休・育休の取得実績があるか
  • 育休後に復帰した女性はいるか
  • 有給取得率は高いか
  • リモートワークやフレックスタイム制度を利用できるか

とくに重要なのが、育休後に復帰した女性がいるか、有給取得率は高いか、という点です。出産後に復帰している人がいる場合は、会社もある程度、子育て女性の働き方に理解がある可能性が高いです。

また有給取得率が高い会社であれば、子ども行事や体調不良の際に、有給を取得しやすい雰囲気であると判断できます。

シンママが正社員で長く務めるためには、職場や周囲の人の理解が欠かせません。入社前にしっかり確認しておきましょう。

子育てに必要な収入を得られるかどうか

シングルマザーが正社員で働く際は、子育てに必要な収入を得られるかどうかの確認も必須です。子育てにはお金がかかりますし、生活を営むうえでもある程度の収入は必要となります。

なかには「正社員なのにアルバイトよりも収入が低い!」というケースも存在します。また歩合制で収入が安定しないといった仕事もあるため、給与の詳細については必ず把握しておきましょう。

シンママ正社員におすすめ仕事10選

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シンママが正社員で働く際におすすめの仕事10選を紹介します。

  1. 事務職
  2. テレフォンオペレーター
  3. 医療事務
  4. 歯科衛生士
  5. 看護師
  6. 家事代行
  7. 介護職
  8. 調理(給食センター)
  9. WEBデザイナー
  10. エンジニア

事務職やテレフォンオペレーター(コールセンター)は、多くのシンママが就労している仕事のひとつです。定時で上がれるケースが多く、家庭との両立がしやすいでしょう。

資格を活かして働くシンママには、医療事務や看護師、介護職などがおすすめです。経験を積めば、キャリアアップも目指せます。

一見ハードルが高そうに見えるWEBデザイナーやエンジニアもシンママにおすすめの仕事です。未経験でも転職を目指せるほか、独学やオンライン講座で知識を得て、フリーランスとして独立も可能です。

結論:シンママは正社員とパート(非正規)どちらがよいのか?

結論から述べると、シンママの働き方に「正社員がよい」「パート(非正規)がよい」といった正解はありません。

周囲から得られるサポート度合いや子どもの年齢などによって状況は異なりますし、仕事と家事、子育てをこなせるキャパシティにも個人差があるからです。

シンママが働き方を考える際に重要なのは、「自分にとってのベストは働き方」を選ぶこと。「ママ友はシンママでも正社員でしっかりキャリアも積んでいる」「あのシンママはパートで時間に融通が効いて羨ましい…」など、周囲ばかり気にしても仕方がありません。

また、近年ではシンママの働き方は選択肢が多様化しています。フルリモート正社員やフリーランスでの在宅ワーク、パートとスキマバイトを組み合わせたダブルワークという働き方などもあります。

大切なのは、自分と子どもが楽しく暮らせるかどうかです。収入や安定、子どもとの時間、自身の負担度合いなど、自分のなかで優先順位をどのように考えるのかが重要です。

正元香菜子
正元香菜子

筆者は正社員とフリーランス、2つの働き方を経験しましたが、どちらにもメリット・デメリットがあると実感しています。

シンママ正社員のよくある質問

シンママ正社員のよくある質問に回答します。

  • シンママ正社員はきつい、無理って本当?
  • シンママは正社員だと損なの?
  • シンママは就職、転職が難しい?
  • シンママが正社員を目指す方法は?
  • シンママで正社員を目指すなら資格を取得するべき?

シンママ正社員はきつい、無理って本当?

正直に述べると、シンママ正社員はきつい、無理。と感じている人は一定数います。


正社員で働いていて「シンママは正社員無理じゃない?」と実感している人。また「子どもとの時間や融通の効きやすさはやっぱりパート」と考えパート勤務を選んでいる人もいます。

筆者も常々「シンママで正社員はハード…」と感じています。

前述したとおり、シンママが正社員で働き続けるには周囲の協力や理解が必須です。会社と相談して定時で退勤できるよう業務量を調整したり、家族やファミリーサポートといったサービスを利用したりして、少しでも負担を軽減する方法を考える必要があります。

シンママは正社員だと損なの?

一部で「シンママは正社員だと損」と言われるのは、税金の控除額が高かったり、各種手当の受取額が少なくなったりするのが理由と考えられます。

例えば、シングルマザー(母子家庭)になると受けられる手当は複数ありますが、なかでも母子扶養手当は、母親の年収が高いほど支給額が少なくなります。

こども家庭庁が発表している内容は以下のとおりです。

参照:こども家庭丁「児童扶養手当について」

年収が385万円を超えると、母子扶養手当は受け取れません(2人世帯の場合)。

一方、例えばパート勤務で年収が190万円以下の場合は、月額45,500円も支給されるのです。「働くだけ損」と感じてしまう人もいるかもしれません。

とはいえ、重ねて述べる通り、正社員には正社員のメリットがあるため、自身のキャリアや将来設計を明確にしたうえで働き方を選ぶのが大切です。

シンママは就職、転職が難しい?

シンママは就職、転職が難しいと耳にすることがあります。とくに子どもが小さな場合は就職や転職活動で苦戦するケースが多いです。


シンママが転職活動で一番苦戦するのは「子どもが体調不良のときに頼れる人がいるかどうか」です。面接時には、ほとんどのケースで面接官から質問されます。

多くの会社は突発的に休まれることを嫌がりますし、残業対応が難しい人の採用を避ける傾向があります。

正元香菜子
正元香菜子

筆者は仕事で企業の人事担当者と話をする機会が多いですが、やはり小さな子どものいるシンママに対する意見は冷たいものも存在します。

とはいえ、シンママだから就職・転職ができないというわけではありません。

どこまでの業務や残業に対応できるのか、入社後にどのように会社の役に立てるのかを明確にしてアピールすることが大切です。

シンママが正社員を目指す方法は?

シンママが正社員を目指す方法はいくつかあります。

  • マザーズハローワークで相談する
  • 転職サイトやエージェントを活用する
  • パート先で正社員登用を目指す
  • 紹介予定派遣の求人に応募する

マザーズハローワークとは、子育て女性の転職サポートに特化した国の施設です。子ども連れでの相談が可能で、キッズコーナーも完備されています。子育てと仕事を両立しやすい求人を紹介してもらえる点も魅力です。

参照:厚生労働省 マザーズハローワーク

また、効率的かつ好条件での転職を目指すなら転職サイトや転職エージェントを活用するのもおすすめです。とくに、パソナキャリア女性の転職typeは、女性活躍中・産休育休の取得実績ありといった求人を多く保有しています。

パート先や紹介予定派遣から正社員を目指す方法もあります。諦めずに正社員を目指しましょう。

シンママで正社員を目指すなら資格を取得するべき?

シンママで正社員を目指す際、資格取得は必須ではありません。ただし職種や業界によっては、資格保有者のほうが選考が有利になるケースもあります。

例えば、簿記・宅地建物取引士・看護師などは、シンママでも比較的需要がある資格です。また資格保有者は資格手当などが支給される会社もあるので、収入アップも期待できます。

とはいえ、資格取得にこだわりすぎて就職・転職活動が先延ばしになるのはおすすめしません。

年齢が高くなるほど転職市場では不利になるため、可能な限り資格取得と転職活動は並行するのがおすすめです。

シンママは正社員だけでなく自分に合った働き方を選ぼう

「離婚を機に正社員を検討している」「パート勤務をしていたものの正社員を視野に入れている」といったシンママは少なくありません。すでにシンママ正社員として働き、限界を感じている方もいるでしょう。

シンママが正社員で働くことには、収入や雇用の安定性、将来性の高さといったメリットがあります。一方、正社員で働くには時間的にも心身的にも負担が大きく、無理をして体調を崩してしまうというケースもあるため注意が必要です。

副業をして独立を目指す、資格を取得して融通の効く仕事に転職する、という選択肢もあります。

今回の記事を参考に、周囲ではなく「自分や子どもにとってベストな働き方」を選んでみてください。

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