妊娠中のフルタイム勤務がきつい!よくある原因と対処法を解説

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正元香菜子
正元香菜子

初めての妊娠はお腹に我が子がいる喜びに満ちていて、幸せいっぱいのマタニティライフが待っている!

このように想像を膨らませる方もいるのではないでしょうか?

確かに、妊娠が発覚した瞬間や初めて胎動を感じる瞬間など、幸せな気持ちになる場面もたくさんあるでしょう。

しかし、妊娠期間は「常に不安との戦いである」と言っても過言ではない程に大変なものです。

特に働く妊婦さんにとっては、最初の試練ともいえる「妊娠中の体調不良と仕事との両立」。

そのため「妊娠中のフルタイム勤務の仕事の調節はどうすればいいの?」「つわりのときの通勤はどうしよう。」といった疑問を抱く方も少なくありません。

今回は、そんな不安の声に答えるべく「妊娠中のフルタイム勤務」にフォーカスをあて、対策方法や乗り越え方のコツなどをご紹介していきます!

妊娠中のフルタイムはきつい!皆どうしてる?

実際に働く妊婦さんの労働時間について調査した結果、妊娠中フルタイム勤務をしている人は全体の約3割に昇ることが分かりました。

つわりや体調不良が懸念される妊娠初期は、まだ安定期前で流産のリスクも伴うため、なかなか職場に相談しづらいという方もいるのではないでしょうか。

また「フルタイム勤務をしている」「経済的に時短勤務が難しい」などの理由で休みや遅刻早退を言い出しにくいと考えている方も多いです。

とはいえ、妊娠中で第一に大切にすべきは我が子の命です。

筆者も妊娠中はフルタイムで勤務しており、はじめは伝える時期に悩んだものの、妊娠が発覚した時点(約5週頃)ですぐに報告。まだつわりも始まる前でしたが「シフト面や急な欠勤が発生する場合があります」と先にこちらから申し出をしました。

上司側としても早めに報告をもらっていた方がフォロー体制が取りやすく、職場への負担が最小限に抑える事が出来るはず、と考えたからです。

結局7週頃からつわりがピークを迎え、安定期に入る16週までは時短勤務(6時間勤務)の希望を伝えました。その後、妊婦健診で異常なしという診断を受けてからは、再びフルタイムに復帰しました。

妊娠中も稼がなければならないという経済面の事情と、お腹の中のまだ小さい赤ちゃんの無事を考えること。

両者のバランスをうまく保つ為にも、職場や上司との密なコミュニケーションが一番重要になるのではないでしょうか。

妊娠中のフルタイム勤務がきついと感じる原因

妊娠中の働き方について職場に勤務内容の調節などをお願いするとき、男性や出産未経験の上司にはどう伝えればよいのか分からないもの。

何が辛くて、どう配慮してもらいたいのかを明確に伝える為に、妊娠中のフルタイム勤務がきついと感じる原因を理解しておきましょう。

妊娠初期の体調不良やつわりできつい

妊娠初期は体調不良やつわりが起こりやすく、きついと感じる人が多いです。つわりは約8〜10週頃でピークを迎えると言われていますが、一方で「一切感じなかった」「安定期に入ってもつわりが治らなかった」という人もおり、個人差が大きい症状です。

お腹が空くと気持ち悪くなる食べづわりや、何を食べても吐いてしまう吐きづわりなど、症状もさまざま。

また、つわりの時期は「急な欠勤などで職場に迷惑をかけてしまうのではないか」という不安を抱く人も多数います。

その日その日の体調に合わせて、先の勤務日程を考えるのは至難の業でしょう。

妊娠中期の腰痛がきつい

安定期は体調は比較的安定してくるため、急な欠勤の数なども減り、普段の日常に戻ったかのように感じるかもしれません。

しかし、ここで出てくる次なる壁は「腰痛」です。赤ちゃんの成長に伴って妊婦さんのお腹はどんどん大きくなっていくため、とくに立ち仕事や8時間の勤務を終えたあとは、かなり辛く感じるでしょう。

どんなに姿勢を意識したり、家でストレッチをしたりしても、簡単に改善できるものではないのも辛い点です。

また「腰痛が理由で勤務中に少し休ませて下さい」と申し出るのも、気が引けてしまう方も多いはずです。

妊娠後期のおなかの重さや疲れやすさがきつい

妊娠後期は、妊娠中期に比べてさらにお腹が大きくなります。大きくなったお腹を抱えて働くことは非常に大変です。

デスクワークであっても腰に負担がかかり、同じ体勢で居続けると足も浮腫んでつりやすくなります。

立ち仕事では歩くペースが遅くなり、また物を取るのに立ったりしゃがんだりを繰り返すのは下半身に相当な負荷がかかります。

通勤時間が長い・満員電車がきつい

総務省統計局による全国の平均通勤時間は、往復1時間19分であるとされています。
引用:社会生活基本調査から分かる47都道府県ランキング

つわりによる気持ち悪さをはじめ、大きなお腹を抱えて1時間以上の通勤は非常に長く感じるでしょう。

満員電車は転倒してしまう恐れもあり、毎日の通勤が地獄のように感じられるかもしれません。

一部マタニティマークを付けている妊婦に対して心無い言葉をかける人もおり、公共機関での移動がこわいと感じる人も多いです。

妊娠中のフルタイム×立ち仕事がきつい

販売業やサービス業に携わっている方であれば、勤務中はずっと立ちっぱなしということも珍しくありません。

つわり時期には1日の決まった勤務スケジュールの中でこまめに休憩するのは周りに気を遣いますし、中期〜後期は大きくなるお腹を庇いながらの立ち仕事がつらく感じます。

妊娠中の立ち仕事でも大丈夫な方もいれば、無理をして切迫流産や切迫早産で絶対安静の指導を受ける方もいます。

妊娠中フルタイム勤務がきついと感じたときの対処法3選

妊娠中にフルタイム勤務がきついと感じたときには、どう対処すべきでしょうか。

以下では、代表的な対処法を紹介していきます。

上司や会社に勤務時間の調整を相談する

妊娠中のフルタイム勤務がきついと感じたら、まずは上司や会社に勤務時間の調整を相談しましょう。

「疲れているのはみんな同じだから」と相談を躊躇してしまう人もいますが、無理をするとかえって職場に迷惑をかけてしまうことにもつながります。

妊娠中の身体は「みんなと同じ」ではありません。周りも理解しているはずなので、身体の状態を説明してしっかり理解してもらいましょう。

生まれてくるお腹の赤ちゃんと、自分の身体に配慮してもらうには、いつだって自分発信が基本なのです。

体調が悪いときは仕事をお休みさせてもらう、時短勤務・時差出勤なども視野に入れて事前に相談しておきましょう。

通勤に関しては、朝の満員電車を避けられるように時差出勤の相談をしてみるのがおすすめです。地域によっては座れたりお腹への負担が少なくなったりするので、上司とうまく相談していきましょう。

勤務中にこまめな休憩をとる

妊娠初期で食べづわりに悩んでる方は、決まった休憩時間以外にもこまめな休憩をとりましょう。人目につかない場所で、軽くお菓子などをつまむだけで辛さが緩和されます。

中期〜後期は「安定期」と呼ばれますが、つわりがある程度落ち着き体調が安定してくるというだけで、流産や早産の危険性がゼロになるわけではありません。

また事務職の場合は、長時間同じ体勢を続けると下半身の冷えから血流が悪くなり、赤ちゃんへの酸素や栄養がうまく行き渡らないなどの影響が出てきます。

少し歩ける環境を用意してもらったりむくみ対策と血流が滞らないように気を配ったりしましょう。立ち仕事の場合は、座って休める場所を確保してもらい、お腹の張りや疲れやすさを感じたら直ぐに身体を休めるのがおすすめです。

担当医に診断書を書いてもらって休職する

男女雇用機会均等法 第13条では

「事業主は、その雇用する女性労働者が前条の保健指導又は健康診査に基づく指導事項を守ることができるようにするため、勤務時間の変更、勤務の軽減等必要な措置を講じなければならない。」

引用:厚生労働省

とされています。

つまり、事業主は妊娠中の従業員が医師から業務内容の軽減や勤務時間について指導を受けた場合は、その内容に沿って配慮しなければならない義務があるのです。

妊婦健診の際、かかりつけ医に「母性健康管理指導事項連絡カード」を記入してもらえば、会社へ提出することで医師から受けた指導内容を明確に伝えることができます。

主な記入項目として、

  • 作業の制限
  • 勤務時間の短縮
  • 通勤緩和の措置
  • 休憩に関する措置
  • 休業

などがあり、妊婦に必要な措置がひと目で分かるような仕様になっています。かかりつけ医に記入してもらうには、病院によるものの相場は2,000円前後程です。

妊娠中の無理は切迫流産や切迫早産のリスクを高め、母子共に危険な状態になりかねません。実際に、筆者も営業職としてフルタイム勤務をしていたときに切迫流産・切迫早産で2度入院経験があります。

妊娠中に安心して働く為には、家族はもちろん医師や職場ともよく相談をおこない、その都度必要な対策を考え行動していくことが大切なのです。

妊娠中のフルタイム勤務を乗り越えるコツ

妊娠中の仕事と家事の両立は、体力的にも精神的にも不安がつきまとうものです。

仕事に関しては、妊娠前と同じように働くことがだんだん出来なくなっていくことに、もどかしく思うかもしれません。

そこで、妊娠中のフルタイム勤務をうまく乗り越えるために、知っておくべき3つのコツを紹介します。

  • 夫や周囲に相談する
  • 周囲への感謝を忘れない
  • 赤ちゃんの誕生を楽しみにする

経済的な相談事や家事を分担し手伝ってもらうなど、まずは一番身近な夫に話してみましょう。

いくら一緒に住んでいるとはいえ、口に出して話してもらわないと伝わらないこともあります。夫婦や家族間でのコミュニケーションは常に意識すべきところです。

また、妊娠中は周りの配慮があってこそ順調に経過していくものなので、上司や同僚、家族などの支えてくれている周囲への感謝の気持ちを忘れないことも大切です。

妊娠中だけでなく、人間関係を良好に保つためにも必要な心構えといえます。気持ちを言葉にして相手に伝えましょう。

妊娠中は思うように動かない身体に戸惑うこともありますが、そんな状況の中でも赤ちゃんはお腹の中で日々元気に成長しています。

赤ちゃんが無事産まれてきてくれるために悩んできたことは無駄にはなりません。

忙しい日々の中でも、赤ちゃんの誕生を楽しみに思いながら過ごしていきましょう。

妊娠中のフルタイム勤務がきついときは無理せず周囲に相談しよう!

妊娠中は身体が最優先と頭では分かっていても、お金のことも気になりますし、フルタイムで働かざるを得ないという状況もあるでしょう。

そんなときは遠慮せず、周りの人に助けてほしいと相談することが大切です。

身体が健康で何も問題がない場合でも、妊娠中はさまざまなことに注意しながら過ごすべき期間です。医師、職場、家族とよく話し合い、元気な赤ちゃんを出産できることが何よりも周囲への恩返しになるはずです!

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